『剣岳点の記』を見てきた。
映画を見ること自体久しぶりだったんだけど、あまりの開始前広告の長さにうんざりして帰りたくなった。あと、悪名高い映画泥棒CMも初めて見た。帰りたくなった。映画館には当分行かないことに決めたよ。
それでも映画は良かったのでよし。筋は単純なんだけど、とにかく風景が良かったのでそれだけでも。景勝だけではなくって、ガレ場、壁、落石、雪原、吹雪、強風、といったシーンもあって大変よろしい。ほんと登山は大変だ。
前半の雲海での焚き火なんかは、これぞ山の映画という名シーン。
CGや空撮を使わないという触れ込みなのは、絵に描いたような美しいシーンがどんどん出てくるんだけど、それが絵じゃなくて実際の風景なんだと信じさせるためなんだろうな。ドキュメンタリーを見ているようだった。
浅野忠信がほとんど表情を変えないんだけど、それがいかにも新田次郎らしい。新田次郎の山岳小説の主人公って大体そういう感じなんじゃなかろうか。寡黙で、真面目に役割を果たそうとする人物。無表情すぎて、焦りが見えるとか言われてもそう思えないのはどんなもんだろうと思ったが、まあ、それも新田次郎的な格好良さではある。
その割に宮崎あおいとイチャイチャし過ぎでけしからんとも思った。新婚Uzeeee。山で死んじゃえ。
もちろん死なないんだけど。
ストーリーが地味というか、一歩引いた冷静な視線っていうのも、いかにもなんだろうな。なんだか新田次郎ファンとして大絶賛、みたいな書き方になってきた。
ああ、でもこれは蛇足だなというシーンもあるにはあって、やっぱり入れないと理解できないって人もいるんだろうかと思った。でも、そういう人たちはこの映画を見に来ないんじゃないかな。席につく前に、明らかに年齢層高いなと思ったもの。
そういえば、ファンのくせに原作を読まずに見に行ったんだった。結果的には、映画を見ている間に余計なことを考えずにすんだと思うので読んでなくてよかったし、むしろ読むのが楽しみになってきたところ。
- 2009/06/21(日) 21:26:50|
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